【映画】PERFECT DAYS
⚠ネタバレあるかも⚠
『PERFECT DAYS』
監督:ヴィム・ヴェンダース
主演:役所広司
東京で公衆トイレの清掃員として慎ましく生活している平山(役所広司)の日々の生活を、時にほっこり、時にジーンと、時にクスッと描いたやさしい映画🎬
[MY FEEDBACK]
役所さんのこと好きだし、予告を見た時に「これは見よう!」と思ったから、さっそくレイトショーで見てきた。
ある記事で役所さんが「主演にしてはセリフが少ない」と言ってたけど、ホントに少ない(笑)他のキャラもセリフが少ない。だから、役者さんの演技が本当に際立つし、“間”が大切な作品だなと。
別の記事で誰かが、「最近の映画、ドラマ、アニメは説明セリフが多い。自分はそれが苦手。想像させてくれー!って思っちゃう。だからのこの映画(PERFECT DAYS)は自分人はとてもよかった」と。
確かに説明セリフが多い作品が増えたかも。
「想像を楽しみたい」っていう観客が減って、「内容がよく分かんなかった」「正解がほしい」って観客が増えたように思う。
かく言う私も、「感じ取って」とか「解釈はご自由に」っていう作品は苦手(アート作品にその手のものが多い気がする。だからアート作品は積極的に選ばない💦)だけど、この作品は、セリフは少ないけど、分かりやすい内容(役所さんが演技で語ってた)だったしクスッと笑えるところが随所にあって楽しめた。
平山は無口で人とのコミュニケーションは最小限。別に人見知りとか人嫌いなわけじゃない。私が好きなシーンは、写真の現像を頼みにお店に行った時の店主とのやりとりのとこ。店主も無口な人のようで、お互いに「ん。」というだけ。本人同士では通じてるからまったく問題ないし、コミュニケーションは成立してるんだけど、「いや、何かしゃべれよ!🤣」ってツッコんじゃった。しゃべらないのがいいんだけどね(笑)その「ん。」の“間”が絶妙で笑ちゃったよ。
話は平山が朝起きて、寝るまでを区切りとしている。次の日になったら、同じ構図でまた始まって…というのが繰り返されるんだけど、見てるこっちは全然退屈じゃない。人の生活を盗み見てるような恥ずかしさもない。
これは、監督さんの手腕と平山(監督いわく、役所さんは平山だったとのこと)の力なのかなー。映画は見るのを楽しむだけで全然詳しくないから、なんとも言えんが。
平山の生活はとてもシンプル。
でも、きっと楽しんでる。
時々で平山がニコっとするから、「あー、これ、“生きがい”なんだな」と分かる。
平山自身が選んでいまの生活を送ってる。
自分で選んでるから不満やグチはでない。
だから、全編を通してとてもやさしい時間が流れている。
[MY TAKEAWAY]
平山のセリフ:同じなわけないじゃないですか。そんなバカな話がありますか。←うる覚え💦
後半に出てくるセリフで、ある人との会話の一部。
私にはこのセリフは「毎日同じ時間に起き、同じように過ごし、同じように過ぎていく日々なんだけど、どれ一つ同じ日はない」って言ってるように受け取れて。
シーンでも、同じように家を出るんだけど、その時に必ず平山は空を見上げる。やっぱりセリフはないんだけど、「あー今日はいい天気だな」とか「曇ってんな」とか言ってるように見える。それだけでもやっぱり同じ日なんてない。その日、その日を楽しんでる平山を見てたら、朝が苦手な私も朝が待ち遠しくなったよ。(起きれないのは別の話ね😒)
小さくていいから、自分が笑顔になる物・人を見つけて、自分がやりたいと思ったことを思った時にやろうと思える映画だった。
これ、ちょっと気持ちが沈んだ時に見たら、自分の環境を俯瞰で見れるようになる映画かも。