【映画】すばらしき世界
⚠ネタバレあるかも⚠
『すばらしき世界』
監督:西川美和
主演:役所広司
人生の大半を塀の中で過ごしてきた三上。
13年の刑期を終え、壁にぶつかりながら社会とのつながりを築こうと奮闘する。うまくいかないながらも、少しずつ三上に関わってくれる人が増えていく。
[MY FEEDBACK]
何を見ようかとリストを物色してたら、この映画があった。
PERFECT DAYSも見たし、さらに役所さんを見たくなった。
最近では「人生ガチャ」なんて言葉で表現されるけど、三上は最初からそのガチャに翻弄された人生を送ってきた人物。「ガチャってあるよねー」とも思うけど、もう決まっちゃったもんはしょうがない。受け止めて前に進むしかない。でも、うまくいかないことなんて“ざら”だよね。
ある人物が三上のことを次のように言ってて、「そうだよねー」っと思った。
三上さんはまっすぐ過ぎるのよね。私たちは結構いい加減に生きてるのよ。
いい加減すぎると、人から信頼されないし、何も成し遂げられない。でも、ある程度いい加減で、人の言うことを気にしないでおく技は、自己防衛に必須。
何かで読んだけど、『メンタルが強い人は、心が強いんじゃない。スルーするのがうまいんだ』と。
その通りだと思う。
三上は“まっすぐで、不器用な”人。でも、一生懸命であることが、少しずつ周りに伝わって協力してくれる人が現れる。そんな人たちを大切にしようとする三上の姿がかわいらしい。
九州弁で怒鳴り散らすところはド迫力だけど、かわいらしい三上がちらほら出てくるから、なんか憎めない。「マジ、三上に何かいい事、起こってくれ😭」って思えちゃう。
最後は「もぉーーーーーーーーーーっ😱」ってなる。“自分の人生をじっくり見つめなきゃな・・・”って思わせられる作品。
[MY TAKEAWAY]
三上の奮闘はもちろんメインの見どころだが、三上を取り囲む3人の人物も光ってる。
・ツノダ
TVディレクターで、三上の人生を追った番組を作ろうと関わりを持ち始める。
・ヨシザワ
TVプロデューサーで、ツノダに番組制作を持ち掛ける。
・イグチ
ケースワーカーとして三上を支える一人。
ツノダとヨシザワは、最終的に違う方向性になるが、どちらにもそれぞれ矜恃があって本気だ。
“何かを成し遂げたい”“何かを伝えたい”と思ったら、覚悟がいる
セリフに出てくるわけじゃないけど、二人の行動からそれが感じ取れた。
やりたいことが大きければ大きいほど、大きな責任が伴う。覚悟は絶対に必要だ。
イグチは、最初、三上のことを、“nobody”だと思っている。でも、もしかしたら、これは三上の思い込みだったのかもしれない。三上の願いを上司に掛け合ってくれたり、何とか三上の手助けにつながらないだろうかと考えを巡らしたりして、力になってくれる。
イグチのように、“何とかサポートできないものか”と思って行動できる人って少ないと思うし、こういう行動ができるのは、ある種スキルだと思っている。こういう“やさしい人間”になりたいもんだ。
あと、イグチ役の北村有起哉さん。クセのあるキャラを演じるイメージがあるが、毎回いい味をだしてくれるので結構好きな俳優さんだ。今回もよかった。